■スタートまで
なんだかんだと夜中に東京を出発。途中豪雨にあったり、SAで仮眠をとったり
受付開始の5時45分前後に丸沼湖畔に到着。
駐車場を巡り、奥のほうに停車。とりあえず受け付けをしに行くと、参加票など届かずに不安でしたが問題なく受付完了。隣の隣に、あの伝説のランナー
鏑木さんの姿が!招待選手だそうです。
近くにはスタッフTシャツを着た元アートスポーツのS藤さんの姿を発見。
車に戻り、着替えながら隣の方と話をすると「名栗(湖ピークハントマラソン)にコルナゴとキシリウムで来た方ですよね~」と返されてしまい、マリアのジャージは目立つなと痛感。
ちなみにその方はトライアスリートで2年連続出場の佐渡(来週開催)をやめ、これに参加とのこと(ぼくより20分早くゴールされました)
駐車場で斜め後ろに車を停めていたのが若い男女の集団。後に絡むことになるパタゴニアTシャツ氏やピンクTシャツ女性、オレンジTシャツ女性も。そんな方々がいらっしゃるので恥らいつつ、でも車の荷室に腰を掛けビキニのサポーター姿で脚にマッサージオイルを塗布して刷り込んでからCW-Xを履きます。
天候がイマイチ優れないため着る服に悩む。まわりは半袖一枚が多い中、自分は
半袖メッシュインナー(パールイズミ)
インナーベスト(パールイズミ)
半袖チームジャージ
ビキニサポーター(アシックス)
CW-Xロングタイツ
パフォーマンスソックス・ショート(ノースフェイス)
ナイキのキャップ
アシックスのシューズ・ゲル・トレッカー
キャラバンのトレッキンググローブ
ゴールドウィンのアームウォーマー
ウィンドブレーカー
※インナーベストはS藤さんに「確実に暑すぎる」と言われスタート前に脱ぎました。
ハイドレーションに水2Lを入れ、カーボショッツ3袋分を入れたフラスコ2個とウィダーインゼリー1ヶを携行。
ストックは迷ったものの、見回して1人のみだったのでやめました。
廻りを見渡すと自転車大会とは当然違う雰囲気。トレイルラン大会とも違い、より洗練されています。かといって気取らず居心地は良く不思議な感じ。大会ディレクター白戸太朗さんのキャラクター故?
トライアスロンに近い?というよりアドヴェンチャーレースに近い感じでしょうか
服装はパタゴニアが圧倒的
ザックはグレゴリー
シューズはモントレイル
と、いわゆる石川弘樹さんスタイルですね
アートスポーツ/OD-BOXの袋を良くみかけました。ここでアートスポーツがブースを出せばMTBグッズでもトレイルグッズでもスイムグッズでも売れるのにな~木村さん。
スタートまで若干時間があったので、会場近くをランで軽くアップ。まわりはみんな速そうです。自分は最近全くトレ出来てないし、参加出来ることを感謝して怪我なく完走を目指すのみ。
■レース本編
男子70人、女子17人で7時にスタートです。トライアスロンの大会で見られるようなゲートの花道を太鼓の「ド~ン」とともにスタート。1000人近い出走の北丹沢の殺伐とした様相とは異なり、長閑ないい感じ。極端なスタートダッシュもなく、皆脚なりです。
過去のレースで序盤のオーバーペースで潰れた経験を元に、飛ばし過ぎないように自制。とはいえTシャツ短スパッツで
手ぶらの若い女性に抜かれたりすると、やや速くなってしまいます(結局この女性の姿はゴールまで拝めず=追いつけず)。
最初は湖畔から国道120号までの登りを2km。国道に出ると、直ぐに道を渡り登山道とも呼べない山道に突入。この区間は直ぐに終わり、うねる120号に再び出ると渡って再び山の中へ。この区間は腐葉土が先日来の雨でマッドな状態になり、登っていてもズリズリと滑り落ちます。もちろん走ることは敵わず、ただただ進むのみ。
スタートしてから30分、油断していると、この時間なのに前にも後ろにも他の選手の姿が無くなる場面があり。緩斜面になり走る部分が増えると再び120号に。
菅沼に近い場所で大会ディレクターの白戸さんが立っていました。「まだまだ先は長いからね~」「あ、何か落としたよ」の言葉に「有難うございま~す」「コースマップだ~」と拾って再スタート。山の中、走れる区間が多く、抜きつ抜かれつを展開。多くの場合は抜かれる方でしたが。
スタートして50分経過。やっとの思いで山を抜け視界が開けた場所に出たと思ったら、ガスっているゲレンデ跡?でした。ガスでもやっている先に絶望的な斜面が広がっています。
丸沼高原スキー場の中でも上級コースと変わらぬ急斜面を喘いで登ると、上から「ロッ~ク、ロッ~ク!」という叫び声。何かと思ったら直径30cmほどの石が降ってきました。慌てて横にトラバースすると、下に向かって「落石~!」と叫びます。ガスっているだけに怖さ倍増。
この区間で唯一のストック利用者にぶち抜かれます。流石に4脚は速い!
そして、何故かあまりの斜面のきつさに和やかになり、前後の選手と無駄な会話をします。「今高度どれくらいかなぁ」とか「どれくらい進んだろう」とか互いを慰めるやつ。ゲレンデを登りきったところにいるチェッカーに聞いたら5~10kmって答えになってないよ。
途方もなくきつく思えたゲレンデ区間は10分ほどで終わり、ゴンドラ山頂駅周辺の散策区間にある六地蔵に到着。ここが高度2000mなので1483mの丸沼から500m強あがったことに。
一緒にゲレンデを登ったタフそうなおっさんには置いてかれたものの、ここから2kmほどは誰にもぬかれることなく白根山登山道に突入。しばらく後ろに気配を感じつつ頑張っていましたが、遂に自分のペースダウンを感じ、道を譲ると、fukamixさんをぽちゃっとさせた丸坊主に黒縁眼鏡でまさか負けないだろうとスタート前に思っていた人でした(結局その後追いつけず)
まだ8時くらいのため、登山者やハイカーはそれほど多くなく、山中を抜け稜線に出ると今日は山頂まで見えました。そして遥か上を登っている選手の姿も・・
先日登った時よりは天候が良いものの、脚に余力がなく、走ることは無く早歩きも無く、ただただ抜かれないように歩いて山頂に到着。山頂のチェッカーに「はい、18番、M崎修一さん~山頂到着~」と呼ばれ「おっ、マリアローザ、頑張って!」と言われ力なく手を振り「有難うございます」と答えます。
今まではコース脇にNEW BALANCEのテープのマーキングがマメにあったものの、ここから激減し不安になりながら進みます。
白根山山頂から五色沼までは急斜面の下り。荒れた岩だらけの道に足首を何度もひねりそうになり慎重にゆっくりと下り。ここで先ほどの登坂では僕の後ろ50mくらいにいた男性にまず抜かれ、次にパタゴニアのTシャツに短パン姿の男性に、そして女性に抜かれていきます。
怖い思いをしながら何とか五色沼に到着。ここは丸沼とまた違った景観でとても美しい沼。キャンプ出来たら最高だけど多分しちゃいけない場所だな~と思いながら、パタゴニアTシャツの男性に追いつき一緒に走ります。前方の下り高速男性にも追いつき暫くは3人で。
沼を抜けると、あれ?登りがある。山頂では「もう下りだけだよ」と言われたのに~と思いながら3人でくっついたり離れたりしながら次の阿陀ヶ池へ。
ここもなかなか美しい池。ただこの時間になるとハイカーが多く迷惑を掛けないように気を使いながら。とはいいつつハイカーの方々が逆に「レースなんでしょ。頑張って下さいね」と言って皆さん避けて下さいます。有難うございますです。
池を抜け暫く走ると下り区間へ。ここで高速男性に置いてかれ、しばらくパタゴニアTシャツ氏と二人で走ります。その後自分の遅さに彼氏に先行してもらい1人で走っていると背後に高速な選手の気配。
道を譲るとエリートランナーのような女性(当然のように短パンでタイツではない)。「ありがとうございます」の声も聞こえないくらい高速。なんでこんな速い選手が僕の後ろにいたんだろう?と思いながら奮起して追っかけてみますが、ほんの数分で姿が見えなくなりました。
するとまた後ろに選手の気配。まだ道を譲るとまたまた女性でした。いずれも自分より小柄で華奢で若い女性。恐ろしいです。今度の選手の方が長い時間(といってもたかがしれてますが)着いていけました。
そうこうしている内に・・・前方にスローダウンした高速男性を発見。追い抜きます。斜度が緩い走行可能区間になって前方にストック氏を発見。追い抜きます。
暫くぶりに120号に復帰。菅沼登山口でここに唯一の給水所があり水かスポーツドリンクと聞かれたのでスポーツドリンクをお願い。自分としては4分の3をこなしたつもりでいましたが実際はまだ3分の2でした。
すこしだけ国道を走るとすぐに山間に誘導されました。係員にあとどれくらい?ときくと、すまなそうに「あとチョットです」と答えてくれました。
が全然チョットではなく、ここから長い道のり。登山道と違って緩いので出来る限り走って進みます。フラスコに入れたカーボショッツを飲みながら行くうちにパタゴニアTシャツ氏を発見したので追いつき並走。
が進めども進めども思わせぶりな展開にパタゴニアTシャツ氏が脱落「先に行って下さい」
ちょうどそんな会話をしたころ、後方100mほどに若い女性2人組(1人はピンクのTシャツ、もう1人はオレンジ色のTシャツ)がこちらに向かって手を振ります。元気だ~と思いつつ「僕?」違うよなこちらの男性だよな~と思いながら、彼氏を置いてスピードアップ、帰路を急ぎます。
緩やかなアップダウンが続き終盤にきてキロ6分弱のスピードに我ながらやれば出来るじゃんと思いながらひた走り。
すると、白根山山頂から五色沼への下りで道を譲った僕より遥かに先輩の女性を発見。やった~ここまで来たぞ。しばらく時間をかけて追いつくと(彼女も走っていたので)、「やっぱり追いつかれちゃいましたか~」「さっきの(高速男性)足を捻挫しちゃんたんですよね。エイドの方に話すの忘れちゃいました」と言われました。どうりで追い抜けたのか。
しばらく彼女と二人で走りました。どんどんコースがタフになっていき、パタゴニア氏と別れたころは高原のような感じだったのが山林へと分け入っていき足場は不安定になり障害物も登場。進めども進めども山の中。コースアウトしそうになったところを彼女に「違いますこちらですよ~」と正してもらったり、しかも待っててくれました。なのに後で置き去りにして自分だけ加速してしまう非道。
久しぶりに国道に出るとスタート後に白戸さんをみかけた地点で、つまりここからは来た道を行きます。最初に随分高度を稼いだエリアだけに今度は急斜面を降りて行きます。で行きですらズルズルに足をとられたのが、下りになったのでもう大変。殆ど滑り台状態。
脚が着地しても沈むか滑るかどちらか。沈んでは容赦なく泥が靴に進入し、滑っては転倒し。そのような状況で女性が遅れ一人旅をしていると、遥か後方から若い女性のキャーキャー声。
さっきまでの女性じゃないな?ということはパタゴニア氏に手を振っていた女性?ということはパタゴニアTシャツ氏を置いて走っているのか、これは強敵だ!
とずるずるの斜面を走り続けます。なんとか山間部を抜け国道120号に出ると、再び道をまたいで山間部へ。徐々に女性が近づいてくるのを感じながら逃げるように走り続け、ようやく山間部を終了。国道120号に出ました。
ここで「ラスト2kmです頑張って下さい」と聞くと同時に後方100mくらいで女性を始めて視認。「ピンクのTシャツだ!」
小柄で華奢そうなスタイルに「これはランナーだな、ロード部分は速いだろうな、死ぬ気で逃げねば」と決意し、下り基調の舗装路を必死で走ります。本来は苦手な下りですが、そんな事は言っていられない。
後ろばかり気にしていると情けないけど気にして走り、湖畔に近づくにつれ直線からカーブになるので、カーブで振り向くと、残り1km強で50m以内に接近!?
これは拙い!とキロ5分弱のペースでロングスパート。
この大人げない走りへの追走はやめたのか、徐々に差が開き安全圏内に入ったのでスピードを緩めると、いよいよゴールが見えてきました。
遥か前方に相方の姿を発見。「4時間前後でゴールする」と言っておいて4時間8分だから上出来だろうと思いながらゴールに向い、湖畔道路から芝生にはいり花道に入るとハーフ(か100%)の女性の英語+日本語のアナウンスで「18番M崎修一さん、いよいよゴールです!」とコールされ、両手を挙げて、ゲートをくぐりテープを切ってゴール。
直ぐにへたり込む、というほどの弱り具合ではなく、だったらもっと追い込めたんだよな~と思いながら、完走賞を受け取り、相方と合流。芝生に座る間も無くゴールしてきたピンクのTシャツ女性と会話します。「追いつかれると思って死ぬ気で逃げました」「そんなつもり無かったですよ」・・自分が馬鹿でした。
芝生に座り相方と話していると白戸さんが通りかかりました。僕を認めると手を差し出し「ナイス・ファイト!」と力強く握手してくれました。格好良過ぎです、白戸さん。(写真を撮っておけばよかった・・)
後続のゴールを眺めていると、暫くたってパタゴニアTシャツ氏とオレンジTシャツ女性が手を繋いで視界に入ってきました。アナウンス女性が「●●さんご夫妻ゴールです!」とコール。ピンクTシャツ女性が喜んでゴールに向かいます。そしてご夫妻はゴールするや抱き合うのが、なんとも微笑ましい姿でした。
ボーっとした後、会場でもあるホテル環湖荘(クラシックで立派なリゾートホテルです)の温泉に入浴(参加者は無料で入浴可)。片付けて撤収し、初エクステラ参戦は終了しました。調整不足で全く思うような走りは出来ませんでしたが、大会自体には大満足。このエクステラ・スクランブル(トレイルラン)が有る限りこれからも参加したいし、冬からはスノーシュー・レースへの参戦も決意しました。